就職者の声

インタビュー

働いて社会とつながっていく。 小さな自信を積み重ねながらただいま成長中!



ビジネススーツに身を包み

T.Sさんは、今年(2012年)3月に綜合キャリアトラストに入社した。43歳という年齢ではあるけれど、自称「まだバリバリの新人」だ。スーツにネクタイというスタイルが、ちょっと嬉しくもあり窮屈でもある。
「以前の仕事は製造業だったので、私服でいって作業着に着替えて仕事でした。夏はクールビズでネクタイしないからいいんですけど、ネクタイしてるときには気になって気になって……。」
そんなこと言いながら、なんだかちょっとうれしそうでもある


グッバイ!縮こまってた自分

T.Sさんの現在の仕事は打刻入力。スタッフの方のタイムカードを見ながら出勤退勤などの時刻をパソコンで入力する仕事だ。これが簡単そうで案外と大変。 「私たちが入力を間違えると、直接その方の給料に響いてきてしまうので、そのあたりがプレッシャーになったりしますね。」 最終的にはチェックもちゃんと入り、チームとして完結した仕事になっていくのだが、T.Sさんはふと仕事の意味を考えてしまう。一言でいえばまじめ。そこがまた精神という見えにくい病気の要因にもなったりして、難しいのである。 そのせいで仕事のスピードが遅くなり、正確でありたい、という思いと早くしなければ、という思いがジレンマになったりすることもある。でも大丈夫。今度の仕事は今までとは何かが違う。
「一時は病気で体調が全然ダメな時、社会とも全然関わりたくなくなって、本当に一人で縮こまっているような時もあったんですが、いまはそうじゃないな、と思えるようになってきたんです。」
製造の仕事のときには想像もできなかったきれいなオフィス環境。そこにスーツを来て通う自分。家族からは「どこのビジネスマン」という目で見られている自分は、なかなかいいな、と思えたりする。
それは、病気を理解し、体調が悪い時にもそれとなく気を使ってくれている会社の環境があるからだ、とT.Sさんは思っている。一見、健康体に見えてしまう精神の病気。その無理解による社会的偏見にT.Sさんも悩んできた一人だからだ。 「自分の病気を隠して仕事をしていたときには、普通に扱われて苦しくなって、結局辞めてしまいました。体調の波がどうしてもある……それがなかなか分かってもらえないんですよね。」
いまの会社では、体調が悪い時は悪いなりに会社の人が声をかけてくれる。「元気なさそうだけどどう?」みたいな気さくな感じで。それがすごくうれしい。


仕事を通して社会とつながる喜び

朝8時に起き、朝食を食べ、車に乗って出勤。9時半過ぎに会社に着いて、掃除をしたり準備を整え、10時から朝礼。それからいつものパソコンに向かう、というのがT.Sさんの朝の日課だ。
「パソコンのスイッチを入れる時には、“今日も頼むね”とちょっとなでてあげます。相棒ですからね」
お昼は毎日、家からおにぎりをもってくる。お母さんの手作りだ。
親にはいろいろと心配をさせてしまって、それだけでも申し訳ないのに、おにぎりまで握ってもらって、つくづくありがたい、と思う。
そんな周りの暖かい支えの中で、T.Sさんはなんとかやっていけそうだ、という自信と、働くことの喜びをかみしめている。
「もし宝くじがあたって働かなくてもいいぐらいのお金が手に入っても、働かなくなって本当に幸せなのかな、と思うんです。社会とつながっていないと、人間てダメなんじゃないかな、と。だから、自分はこの会社と巡り合えて、ほんとにラッキーだな、と思います。」
お金のために働いているんじゃない。自分が人間としていきいきと生きていくために働いて、社会とつながっていくんだ。病気ともつきあいながら、人生の意味がわかりかけてきたT.Sさんだ。

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