就労移行支援事業所からの就職事例 ~Bさんの場合~
今回はBさんが就労移行支援事業所でどのような訓練を経て、就職されたのかをご紹介します。
Bさんについて
都内に住んでいるBさんは、大企業の障害のある方が多く所属している部署での事務補助系のお仕事に就いていました。
10年ほど順調に勤めていましたが、人事異動により、上司や同僚等の人間関係に変化が起き、人間関係に慣れることが難しく、悩むことが多くなりました。
精神的に不安定な中で、注意や指摘に敏感になり、調子を崩し、退職することとなりました。
以前より関わりのあった支援者に相談し、就労移行での訓練を勧められ、複数の事業所を見学した中で、一番雰囲気が自分に合っていると感じたSAKURAセンターの利用を開始しました。
通所中に取り組んだこと
SAKURAセンターでは次のような取り組みを行いました。
① コミュニケーション面
Bさんは、職務経歴が長くあった為、基本的なビジネスマナーが備わっていました。
一方で、前職の経験から注意や指摘を受けることに苦手意識が生まれ、再就職後にも前職と同じように注意や指摘を受けるのではないかという不安が強くありました。
SAKURAセンターの面談で不安な気持ちを職員と話したり、就職に関するカリキュラムの受講をする中で、
という意識が芽生えました。
職員と相談し、苦手な場面を明確化していき、不安感や緊張感を緩和する対処法を探していきました。
また、職員が受診同行をして、主治医への相談を一緒に行いました。
明らかになった対処法を、センターの中でのロールプレイングを通して実践的に練習し、少しずつ注意や指摘を受け入れることができるようになっていきました。
② 業務スキル面
これまでの職務経歴の中で、PC業務と軽作業を行ってきたため、再就職でも同じような業務内容の求人に応募しようと考えていました。
センターの訓練に取り組む中で、PC業務は集中力を長く保つことが難しいことが分かってきました。
一方で、書類を扱う業務やハサミやカッター等の道具を使う作業、手先の器用さを問われる作業等が集中力が持続出来、精度も高いことが分かりました。
企業での実習を通してその傾向は明確になり、得意を活かして仕事を生き生きと長く続けるために、PCではなく、軽作業中心の求人に応募することとなりました。
就職とその後
- コミュニケーション面の自己理解が深まり、苦手な事柄への自己対処を身に付けたこと
- 得意な業務内容が明確になったこと
により、コロナ禍のちょうどはじまりの大変な時期ではありましたが、希望条件に合う企業への就職活動をすることができ、自分に合った職場に就職することができました。
就職後もSAKURAセンターの定着支援事業を利用し、定期的な面談と職場訪問の支援を受けながら、安定して働くことができています。
職場に相談が難しい困り事が発生したときには、SAKURAに相談して解決を図っています。
現在の職場でも上司や同僚の異動を何度か経験しましたが、心穏やかに安定して勤務を続けることができています。