障がい者雇用のメリット・デメリット。やっぱりデメリットが多いの?
SAKURAセンターの利用者の皆様から、こんな質問をよく受けます。
そのような質問には、
とお答えしています。
障がい者雇用はお給料が低い?
「そうは言っても、障害者雇用の求人条件を見ると、給料が低いものばかり・・」
というお話をよくお聞きします。
以下は、少し以前の調査ですが、障害雇用の実態調査の結果です。
厚生労働省 『平成30年度障害者雇用実態調査の結果』
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05390.html
調査によると、平成30年5月の平均賃金は、
知的障害者 117,000円
精神障害者 125,000円
発達障害者 127,000円
ということです。
この額は、フルタイムで働く方から短時間の方までの金額の平均になります。
また、平均勤続年数は、
知的障害者 7年5カ月
精神障害者 3年2か月
発達障害者 3年4か月
ということです。
平成30年よりは最低賃金が上がっていますので、今の平均給与はもっと高いでしょうが、確かに「給料が低い」という印象は感じるかもしれません。
実際の求人を見ても、そういう傾向はあるかなと思います。
障害者雇用はデメリットばかり?
皆さんは、ハローワークの求人票やいろいろな求人情報等を見る時に、まず何に注目しますか?
「賃金」「仕事内容」「勤務時間や休日」「勤務地」などでしょうか。
これから自分が働くことを考えれば、どれも重要な項目です。
SAKURAの利用者の皆様にも上記の点はしっかりと確認をしていただきます。
ただ、それ以外にもよく読むと、いろいろなことが記載されています。
勤務時間や仕事内容などで、「応相談」のような記載を見ることもあるかと思います。
障害者雇用求人の場合は、この「応相談」の幅が広く、個々の事情を相談することができると言えます。
勤務時間や仕事内容だけでなく、休憩の取り方や業務指示のもらい方、働きやすい環境の整備等々を配慮していただき、職場で担う役割、責任を限定してもらうことになります。
そのために一般雇用の場合よりも給与面で低くなるという事になります。
そうやって働きやすい環境や状況をつくることで、「長く働き続ける」ことができるのです。
長く働き、仕事に慣れ、責任を持てる仕事が増え、職場の戦力になっていけば、給与面等も変わってくるだろう思います。
採用時の給与面は少し低くても、長く働き続けられることはデメリットというよりもメリットではないでしょうか。
いきいきと長く働き続けるために
「働いて、稼いで、生活する」ことは、生きていくための基本的なサイクルです。何年も、何十年も続いていくでしょう。
一生、同じ会社で働き続けることが全てではありませんが、苦労してせっかく就職した会社、出会った仕事仲間と、できれば長く、よい付き合いをして行けたら幸せだなあと思います。
目の前のメリット、デメリットだけで考えるのではなく、これからの人生にとってどんな選択がいいのだろうという視点で、就職や仕事を考えていけるといいですね。